肌のかゆみから傷になる理由とくり返さない為の対処法

肌のかゆみから傷になる理由とくり返さない為の対処法
肌をかいてしまって傷になる。
せっかく治ってきた傷なのにかゆさに負けてかきむしってしまう。
痛みとかゆみを繰り返して傷がひどくなってしまった経験が1度や2度はあるのではないでしょうか。
人は自然治癒力を持っているため何度でも傷を治そうとしますが、治りかけた傷を掻いたりしてしまうと長引いたり傷跡が残りやすくなってしまいます。
このコラムでは肌のかゆみから傷になる理由とくり返さない為の対処法について考えてみたいと思います。
かゆみの主な原因は「ヒスタミン」
そもそも肌はなぜかゆくなるのでしょう。
かゆみが発生する原因として肌の乾燥、虫刺されによるアレルギー反応、下着等の擦れや摩擦による肌の刺激などさまざまあります。
そのかゆみの原因物質としてよく耳にするのが「ヒスタミン」です。
ヒスタミンがかゆみを感知する神経を経由して脳に伝達されかゆみを引き起こします。
そして肌を掻くことによって更にヒスタミンを放出させてかゆみの感じる範囲を広げてしまい、かき壊して傷になります。
傷を悪化させてしまう正体は雑菌
肌は傷を負っても細胞を増やすことで自然治癒に向かうようにできているのですが、雑菌の繁殖によって傷が悪化し化膿させてしまう場合があります。
ひとつの原因は傷を負った時の初期対応に問題がある場合です。
大きなケガでなければ、傷口をキレイに水洗いして殺菌することで治癒に向かうのですが、傷を不衛生な状態で放置してしまうと、雑菌の繁殖によって傷口が悪化してしまいます。
また、かゆくなった傷口を掻くと傷口に汚れと一緒に雑菌が付着して悪化させてしまうこともあります。
どちらの場合も傷口を不衛生にしてしまうことで、雑菌の住かを作ってしまい悪化します。
皮膚をかいてキズにしてしまう3つのパターン

乾燥肌によるかゆみ
肌が乾燥する要因は、気候、生活環境、生活習慣などさまざまですが、肌のバリア機能が低下することによって肌が敏感な状態になりかゆみを感じやすくなります。
虫刺されによるかゆみ
虫刺されは皮膚疾患のひとつで、虫が持っている毒素や分泌液に含まれる成分によってアレルギー反応が起こりそれがかゆみとして表れます。
例えば、蚊の場合は吸血することにより直後から激しいかゆみを感じ、それを掻くことによって傷になってしまいます。
下着の蒸れや摩擦によるかゆみ
肌着や衣類を着ているだけで肌に負担がかかっています。
生地として使われている化学繊維は蒸れやすく乾燥しやすい環境になりがちです。
また、摩擦による刺激や静電気などでかゆみを感じるようになり、それを掻くことによって肌は傷付いてしまいます。
かゆみのある傷を対処する方法
かゆみによる傷を治すには「肌をかかない」のが一番です。
ただ、そうはいってもかかずにはいられないのが「かゆみ」でもあります。
かゆみのある傷を対処するには新たなかゆみを発生させないように患部に刺激をあたえず、かゆみを抑えながら傷を治していくことが必要になります。

かゆみを止める
これ以上皮膚を傷つけないためには、かゆみを止めることが大事になってきます。
かゆみ止めは「即効性のある成分」と「かゆみのもとに効く持続性のある成分」に分かれています。
例えば、「リドカイン」などのすぐにかゆみを鎮めてくれる成分や、かゆみの主原因であるヒスタミンをブロックする「ジフェンヒドラミン」などの抗ヒスタミン剤を使うことが有効的です。
傷を保護する
傷を乾燥させずに保護することが大事です。ワセリンなどで患部の保護を行うとよいでしょう。
殺菌する
傷口はキレイに洗浄して軽く殺菌することによって清潔な状態を保ち、化膿しやすい傷口の細菌の繁殖を防ぐようにします。
まとめ
・かゆみの原因物質はヒスタミンで、「かゆみ」を感知する神経を経由して脳に伝達されかゆみを引き起こす。
・かゆみが発生する主な要因は乾燥肌・虫刺され・下着などの衣類による摩擦などさまざまである。
・かゆみのある傷を対処するには「新たなかゆみを発生させないように患部に刺激をあたえず、かゆみを抑えながら傷を治していくこと」が必要になる。