乳児湿疹と診断されたら…
原因と対策のポイント

赤ちゃんのお肌トラブル「乳児湿疹」
乳児湿疹とは、赤ちゃんのお肌にできる湿疹の総称です。
乳児湿疹とアトピーの違いが気になる人も多いようですが、アトピー性皮膚炎とはまだ診断できない状態の湿疹や、頭皮に硬いかさぶたのようなものができてしまう脂漏性湿疹、あせもも乳児湿疹に含まれます。
赤ちゃんのお肌はすべすべ・もちもちと思われがちですが、生後2ヵ月~4ヵ月ごろまでは皮脂分泌が盛んで、その後、急激に分泌量が下がり乾燥肌となる為、肌トラブルを起こしやすくなります。急に現れてなかなか治らないブツブツにお悩みの方に、乳児湿疹の原因と予防・対処のお話です。
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乳児湿疹の原因はひとつじゃない
乳児湿疹の原因は状態や月齢によって様々です。
- 1
- 新生児挫創、いわゆる新生児ニキビと言われるニキビのよう赤いポツポツ
- 2
- 頭皮や眉毛付近に黄白色のかさぶたが広がる脂漏性湿疹
- 3
- 外部の刺激に敏感になって表れる乳児湿疹
- 4
- あせも
1と2の湿疹はお母さんからもらった女性ホルモンの影響で皮脂の分泌が多く、余分な皮脂が毛穴に詰まってしまい、炎症を起こしやすくなっている状態です。
3の場合、お肌の乾燥によって皮膚バリア機能が低下していることが大きな原因です。バリア機能が低下しているところに洗浄剤のすすぎ残しや、汚れの付着などが刺激となって炎症してしまっています。
4のあせもは、汗が皮膚に残ったまま放置しているとできてしまいます。汗をかいたらすぐに拭いてあげたりして汗をそのままにせず、清潔な状態を保ってあげることが大切です。
乳児湿疹とアトピーの違いは
アトピー性皮膚炎の特徴は、状態が悪くなったり良くなったりを繰り返し、かゆみのある湿疹があることです。湿疹の治療をしながら経過を見て診断されることが多く、湿疹が出てすぐにはわからないようです。
アトピー性皮膚炎の場合、乾燥により皮膚バリア機能が低下しています。正しいスキンケアで皮膚バリア機能を回復させ、維持することで皮膚炎やかゆみの発生を抑えることができます。また、食物アレルギーを併発していることも多いアトピー性皮膚炎ですが、皮膚バリア機能を高めることによって皮膚から食物アレルゲンが入ってくることを防ぐ効果を得られます。

トラブルが無くても、生まれたばかりの頃からしっかり保湿してあげることでアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げるという報告もあります。
乳児湿疹のための正しいスキンケアの方法
まずは汚れをしっかり落としてあげます。ベビー用のボディーソープやヘアシャンプーをしっかり泡立てて手で優しく洗ってあげましょう。
※お顔や頭皮を洗浄剤で洗えていない人が意外と多いようです。
泡が残ると皮膚の刺激になり、乳児湿疹の原因になってしまいますので十分にすすぐことも大切です。鼻や口に泡が入って苦しくならないか心配の方は頭を少し持ち上げて額のあたりから流してあげると、苦しくならないのでオススメです。
お風呂からあがったらすみやかに保湿して乾燥を防ぎます。新生児ニキビや脂漏性湿疹など脂っぽくなっているタイプだと、保湿することで悪化してしまわないか不安になりますよね。でもキレイなお肌を保つためには保湿剤を使って皮脂バランスを整えてあげることが必要です。
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乳児湿疹はいつまでつづくのか
乳児湿疹は生後2週間ごろから起こりうるものですが、いつまで続くのかは赤ちゃんによって様々です。生後2-3か月頃までは皮脂が多く分泌されることによる湿疹、その後は乾燥による湿疹、と様子を変えて長く続くこともあります。
ただ、多くの赤ちゃんは正しいスキンケアを続けることによって皮膚バリアも備わってきて1歳ころには落ち着いてくることが多いようです。
湿疹が出て、スキンケアをしても治まらない場合は医師の診断を受けましょう。
食物アレルギーが疑われる場合も自己判断で食事制限を行うことはリスクがあります。必ず医師の診断を受けましょう。
まとめ
- 乳児湿疹は乳児期に起こる皮膚トラブルの総称で、原因は様々
- スキンケアでアトピー性皮膚炎の症状を和らげ、発症リスクも下げることができる
- 正しいスキンケアの基本は赤ちゃんの全身を「きれいに洗う」「しっかり保湿」
- 乳児湿疹は皮膚バリア機能が備わってくる1歳頃に落ち着いてくることが多い
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※『かゆかゆ』とはお肌の乾燥によるものを指します